健康・快適は窓からデータで見る健康リスク3
コレステロール
断熱性の低い住まいでは、
コレステロール値が高くなる
コレステロールとは、血中に含まれる脂質の一つですが、数値が基準より高くても低くても疾病の原因となりえます。
室温の高いあたたかい住まいと、室温の低い寒い住まいで年齢、性別、世帯所得、生活習慣を調整した上で検証した結果、寒い住まいでは総コレステロール値、LDLコレステロール値※1がそれぞれ基準より高くなることがわかりました。
LDLコレステロールが高いことに加えて、高血圧、喫煙、糖尿病、慢性腎臓病、などがあると、より動脈硬化になりやすくなります。
健診データにおける血中脂質の
基準範囲
健診項目 | 基準範囲 | 基準範囲外の時に疑われる疾病 | |
---|---|---|---|
血中脂質 | 総コレステロール | 130~219mg/dL | (高い場合)動脈硬化、脂質代謝異常、家族性高脂血症 |
中性脂肪 | 35~149mg/dL | (高い場合)動脈硬化 | |
HDL(善玉)コレステロール | 40~80mg/dL | (低い場合)脂質代謝異常、動脈硬化 | |
LDL(悪玉)コレステロール | 60~139mg/dL | (高い場合)動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞 |
健診結果が基準範囲を超えるオッズ比※2,3(温暖住宅群を基準とした場合)
- ※1 高血圧の状態が血管壁を傷付け、その傷にコレステロールが沈着して動脈硬化が促進されることが知られている。得られつつある知見の中で、寒冷な温度環境が高血圧を引き起こすと示されたため、それに伴い寒冷住宅群でコレステロール値が高くなったと想定される。
- ※2 オッズ比は、ある事象の起こりやすさを2つの群で比較して示す統計学的な尺度。また、調整オッズ比は、他の説明変数の影響を取り除いたオッズ比。
- ※3 年齢, 性別,BMI,降圧剤,世帯所得,塩分得点,野菜摂取,運動,喫煙,飲酒,ピッツバーグ睡眠調査票得点(睡眠に関する得点)で調整
- ※4 英国保健省の最低室温推奨値の18℃を参考として、それを境に1日で最も室温が低下する朝5時の室温に基づき2群に分類
出典:一般社団法人日本サステナブル建築協会 断熱改修等による居住者の健康への影響調査 中間報告(第3回) 資料より
コレステロール値が
基準値に比べ高い数値に
寒い住まいではコレステロール値上昇のリスクがあるため、断熱リフォームで改善が期待されます
健康・快適は窓からトップへ